放課後。

誰もいなくなった教室で、私と紫苑は机を並べてプリント整理してた。
やばい、近い。これ、5センチくらいしか距離ない。
汗かく。鼻息も気になる。ていうか無理。

「なあ、心結ってさ」

「ん?」

「……藤宮さんと仲いいよな?」

…はい、終了。

心の中で鐘が鳴った。終了のお知らせ。
さっきまで「恋かも」なんて浮かれてた自分を、ぶん殴ってやりたかった。

「あ〜…うん、中一から一緒のクラスだった。」

「そっか。……実はさ、
ちょっと気になってるんだよね、藤宮さんのこと」

この瞬間、私の“紫苑との青春ラブコメ”は、
完膚なきまでに終わった。


「そっか、じゃあ…応援するよ。紫苑の恋」

なぜか、そう口が勝手に言っていた。

好きな人の恋応援するの?
偉いね私。お人好し過ぎるんじゃないかな?