ビアガーデンに行ってから数日後、私は須藤さんのところへ納品に向かっていた。
須藤造園の駐車場に車を止めた瞬間、前に藤乃さんに会ったときのことがよみがえった。
ビアガーデンで絡まれて困っていたとき、助けてくれて、優しく慰めてくれて……私、藤乃さんにばかり守られてる気がする。
帰ってから、夜中の勢いで『早く会いたいです』なんて送ってしまって……恥ずかしくて、どうすればいいかわからない。
しかも朝起きたら、『俺も花音ちゃんに会いたい』なんて……まるで恋人みたいな返信が届いていた。
もう……どうすればいいの? 藤乃さん、やっぱり私のこと、好きなんだよね……。私も、好き。けど、私から言って違ったらどうしよう……。
考えごとを抱えたまま台車を押し、花屋さんの裏口をノックした。
藤乃さんが欲しがっていたケイトウとワレモコウ、まだ少ししか採れなかったけど、きっと喜んでくれるといいな。
「いらっしゃい、花音ちゃん」
けれど、出てきたのは葵さんだった。カウンターの向こうで奥さんが接客をしている。
「こんにちは、葵さん。ヒマワリとリンドウを持ってきました。それとこちら、数は少ないんですが、藤乃さんが仏花に使いたがっていたと聞いて……ケイトウとワレモコウです。次回は、もう少し多めにお持ちしますね」
「ありがとう、ママさんに伝えておくね。藤乃くん、今日は午前中の剪定がちょっと長引いててね。海の近くの大きな公園に行ってるんだけど、もうすぐ戻ると思うよ」
「そうなんですね。お会いできなかったのは残念ですけど、藤乃さんが頑張ってるのはちゃんと知ってるから、大丈夫です」
私のことを、大切に思ってくれてるのも、ちゃんと伝わってる。
……うん、仕方ないよね。
接客を終えた奥さんに納品書を渡して、花を確認してもらう。受領書にサインをもらって、そのまま店をあとにした。
台車を車に積み終えたとき、藤乃さんがエプロンをかけて、店の近くを歩いているのが目に入った。
須藤造園の駐車場に車を止めた瞬間、前に藤乃さんに会ったときのことがよみがえった。
ビアガーデンで絡まれて困っていたとき、助けてくれて、優しく慰めてくれて……私、藤乃さんにばかり守られてる気がする。
帰ってから、夜中の勢いで『早く会いたいです』なんて送ってしまって……恥ずかしくて、どうすればいいかわからない。
しかも朝起きたら、『俺も花音ちゃんに会いたい』なんて……まるで恋人みたいな返信が届いていた。
もう……どうすればいいの? 藤乃さん、やっぱり私のこと、好きなんだよね……。私も、好き。けど、私から言って違ったらどうしよう……。
考えごとを抱えたまま台車を押し、花屋さんの裏口をノックした。
藤乃さんが欲しがっていたケイトウとワレモコウ、まだ少ししか採れなかったけど、きっと喜んでくれるといいな。
「いらっしゃい、花音ちゃん」
けれど、出てきたのは葵さんだった。カウンターの向こうで奥さんが接客をしている。
「こんにちは、葵さん。ヒマワリとリンドウを持ってきました。それとこちら、数は少ないんですが、藤乃さんが仏花に使いたがっていたと聞いて……ケイトウとワレモコウです。次回は、もう少し多めにお持ちしますね」
「ありがとう、ママさんに伝えておくね。藤乃くん、今日は午前中の剪定がちょっと長引いててね。海の近くの大きな公園に行ってるんだけど、もうすぐ戻ると思うよ」
「そうなんですね。お会いできなかったのは残念ですけど、藤乃さんが頑張ってるのはちゃんと知ってるから、大丈夫です」
私のことを、大切に思ってくれてるのも、ちゃんと伝わってる。
……うん、仕方ないよね。
接客を終えた奥さんに納品書を渡して、花を確認してもらう。受領書にサインをもらって、そのまま店をあとにした。
台車を車に積み終えたとき、藤乃さんがエプロンをかけて、店の近くを歩いているのが目に入った。



