藤乃さんが箱からヒマワリを取り出して、茎を切っていた。
……スーツ姿の男の人と花って、こんなに似合うんだ。知らなかった。ポストカードにして売ってほしいくらい。
「花音ちゃん?」
「はい?」
「見過ぎ」
「す、すみません。かっこよくて……」
藤乃さんは苦笑しながら、ヒマワリをバケツにそっと入れていく。
葵さんがバケツを持って戻ってきたことにも、全然気づいていなかった。
「そうだなあ」
藤乃さんが呟いて、一番小さいヒマワリを手に取る。そのままカウンターを出てお店からいくつか花を取ってきた。かすみ草、スターチス、ユキヤナギの枝、それから……。
「どうかな」
「……素敵、です」
藤乃さんの手の中で、花たちがふわっとまとめられて、夏らしい爽やかなブーケができあがった。
「少し持っててもらえる? 顔の少し下、向こうに向けて」
「はい?」
ブーケを受け取ると藤乃さんがスマホを取り出した。
「葵ー、これ」
「はいはい」
すっ飛んできた葵さんがスマホを受け取る。藤乃さんが私の隣で肩を寄せた。
「えっ」
「はい、ひまわりー。ふふ、可愛い。花音ちゃんはぽかんとしてるし、藤乃くんは顔ゆるみすぎ」
葵さんは笑いながら藤乃さんにスマホを返した。
「しょうがないじゃん。うん、ありがと」
ぼんやりしていたら、私のスマホが震えた。
「送っておいたよ」
「えっ……、わ、ほんとだ……」
スマホを開くと、ヒマワリのブーケを持った私と、満面の笑みの藤乃さんが並んで写っていた。ちょっと間抜けな顔の自分じゃなくて、藤乃さんだけの写真が欲しかったなあ。
ブーケは店頭に並べるそうなので、葵さんに渡した。
受領書を受け取ってお店を出ると、藤乃さんも着いてきた。
……スーツ姿の男の人と花って、こんなに似合うんだ。知らなかった。ポストカードにして売ってほしいくらい。
「花音ちゃん?」
「はい?」
「見過ぎ」
「す、すみません。かっこよくて……」
藤乃さんは苦笑しながら、ヒマワリをバケツにそっと入れていく。
葵さんがバケツを持って戻ってきたことにも、全然気づいていなかった。
「そうだなあ」
藤乃さんが呟いて、一番小さいヒマワリを手に取る。そのままカウンターを出てお店からいくつか花を取ってきた。かすみ草、スターチス、ユキヤナギの枝、それから……。
「どうかな」
「……素敵、です」
藤乃さんの手の中で、花たちがふわっとまとめられて、夏らしい爽やかなブーケができあがった。
「少し持っててもらえる? 顔の少し下、向こうに向けて」
「はい?」
ブーケを受け取ると藤乃さんがスマホを取り出した。
「葵ー、これ」
「はいはい」
すっ飛んできた葵さんがスマホを受け取る。藤乃さんが私の隣で肩を寄せた。
「えっ」
「はい、ひまわりー。ふふ、可愛い。花音ちゃんはぽかんとしてるし、藤乃くんは顔ゆるみすぎ」
葵さんは笑いながら藤乃さんにスマホを返した。
「しょうがないじゃん。うん、ありがと」
ぼんやりしていたら、私のスマホが震えた。
「送っておいたよ」
「えっ……、わ、ほんとだ……」
スマホを開くと、ヒマワリのブーケを持った私と、満面の笑みの藤乃さんが並んで写っていた。ちょっと間抜けな顔の自分じゃなくて、藤乃さんだけの写真が欲しかったなあ。
ブーケは店頭に並べるそうなので、葵さんに渡した。
受領書を受け取ってお店を出ると、藤乃さんも着いてきた。



