私が今この時も使っているこの聖女の力が、自分が聖女だという一番の証拠になる気がする。
それがあるから、皆彼女が聖女様だと信じたのではないだろうか。
ラディスは皆疑っていないと言っていた。いきなり「私が聖女です」と名乗り出てきて、ただ美人だからという理由だけで城の皆が信じたとは思えない。
だとしたら、彼女も何か特別な力を持っているのではないか。
この世界には聖女のほかにも不思議な力を持った者、所謂『魔法使い』や『魔女』と呼ばれる人たちが存在すると前働いていた宿で聞いたことがある。
でもとても珍しく、大抵はどこか秘境でひっそりと暮らしているものらしい。
(もしラディスの言う通り彼女が聖女じゃないとしたら、魔女って可能性もあるのか)
――魔女。
なんて心惹かれる言葉なのだろう。
聖女の力に気付いた時と同じように、子供心がうずいてしまった。
(その辺の話も、今度ラディスに会えたら訊いてみよう)



