「まさか、伝わっていなかったとは……」
脱力したように俯いてしまったラディスを見て、急に恥ずかしくなってきた。
「だ、だって、好きとは言われてないし、騎士は聖女を護るもんだってイリアスから聞いて、だからてっきりそういう意味なんだと思って」
それで勝手に落ち込んで、うまく目を見れなくなっていたなんて、恥ずかし過ぎて言えるわけがない。
(じゃあ、ラディスは本当に私のことが……)
と、ラディスは急にぴくりと眉を上げ低い声を出した。
「またあいつか……」
「え?」
「いや。……確かに、騎士には聖女を護るという役目があるが」
私の両手を握る手に、力がこもった。
「俺は騎士ではなく、ひとりの男としてお前に惚れたんだ」



