「団長や副長はしょうがないけどさ、あいつに先越されてたってのが……」
不貞腐れるように言ったイリアスに苦笑する。
「先って、」
「あー! なんで俺気付けなかったんだろ! 俺が一番お前の近くにいたのになぁ!」
そう言ってイリアスはごろんとベッドに寝転んだ。
……確かに、この世界に来てから一番長く一緒にいるのは間違いなくイリアスだ。
そんなイリアスにここまでバレずに来れたのは。
「それは、やっぱオレの男のフリが上手いからだろ」
得意になって言うと、イリアスはがばっと起き上がった。
「それだよ! まさか女の子なんて思わないだろ!」
「はは、凄いだろ」
「凄いよ! だから俺、お前に抱きついたり普通にしちまってたじゃねーか!」
「ああ、そうだったな」
「あ~~もう、ほんとごめん! 悪かった!」
頭を掻きむしったあとで勢いよく頭を下げられて私は慌てる。
「いやいや、謝るなって。全然気にしてないから」
「そこは少しは気にしろよ! 聖女様だろ!?」



