男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


「でもさ、団長のことだしきっとうまくやってるって」
「あ、ああ、そうだよな」

 頷き苦笑する。すると。

「あ、そうだ。俺、お前に訊きたいことがあったんだ!」

 ベッドから起き上がり、イリアスがこちらに身体を向けた。

「なんだ?」
「あのさ、お前がいた異世界ってどんなところなんだ?」
「へ?」

 子供のようなキラキラした目をして、イリアスは続ける。

「だってお前、ここじゃない違う世界から来たんだろ? どういう世界なのか気になるじゃんか! やっぱお前みたいに皆空飛べるのか?」
「いやいや、空飛べるようになったのはオレもこの世界に来てからで……あー、でも空を飛べる乗り物ならあるよ」
「マジで!?」

 興奮したようにイリアスは身を乗り出した。

「月まで行ける乗り物もあるし」
「月!? って、あの月か!?」

 窓の向こうを指差し大興奮するイリアス。
 そこで、同じ話を数日前キアノス副長にもしたことを思い出した。