男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


 そのまましばらくの間食堂でラディスを待ったが、一向に現れる気配はなく夜が更けていった。
 ハウリーさんたち先輩方もあの後食堂にやってきたが、やはりまだ何も聞かされていないようだった。

 魔女退治の件、それに不在の間に始まってしまった戦について、ラディスは王様やお城の偉い人たちと話をしているはず。
 遅くなるのも仕方ないけれど、心配だった。

「とりあえず部屋行くか。休めるときに休んでおこうぜ」

 イリアスに言われ、私たちは自室に戻ることにした。

(イリアスだって、戦に参加することになるかもしれないんだもんな)

 少し前を歩くイリアスの背中を見つめる。

 ……私はきっとお呼びが掛かることはないだろう。
 まだ一人で馬にも乗れないのだ。戦場に行っても足手まといにしかならない。

(でも、私は……)

「あ〜! やっぱ、自分のベッドが一番だな!」

 部屋に着くなり、イリアスはベッドに大の字に寝転んだ。
 それを見ながら私はハっとする。

(そうだ、部屋割りの話!)