「団長!」
「ラディス団長!」
門番のふたりが私たちに気付いて声を上げた。
「ご無事でしたか!」
「よくお戻りで!」
だがラディスは馬上からそんな彼らに厳しい声で訊ねた。
「どういうことだ。俺がいない間に何があった」
「そ、それが……」
門番ふたりは顔を見合わせ、言いにくそうに答えた。
「昨日、バラノスへの侵攻が開始されました」
「!?」
私は息を呑んだ。
後から追いついてきた先輩たちも城の様子を見てすぐに異常事態に気付いたようだ。
「指揮をとっているのは」
「キアノス副長です」
ラディスの顔がぐっと険しくなるのがわかった。
(キアノス副長が……?)
――城のことは私に任せてデートがてら行っておいでよ。
数日前、そう言って笑顔で私たちを送り出してくれたキアノス副長。
彼がバラノス侵攻の指揮を……?
「わかった。ご苦労」
ラディスはそう言って、門番たちが開けてくれた城門を抜け中へと入っていく。
皆、不安そうにその後に続いた。



