そのまま強く抱きしめられる。
肌と肌が密着してラディスの体温が直に伝わってくる。
「こうして触れ合えただけで十分幸せだ」
この状況はめちゃくちゃ恥ずかしいけれど、そう言ってもらえて少しほっとする。
(でも、やっぱり悪いことしたなぁ……)
最中に目を回すなんて、情けないったらない。
きっと、色々耐えられなくなって頭がパンクしたのだろう。
罪悪感を覚えながら私も彼の背中に手を回そうとして。
「またしばらくの間、ふたりきりにはなれなさそうだからな」
「!」
……そうだ。
城に帰ったらすぐに王様に魔女についての報告をしに行かなくてはならないし、その後はきっとバラノスとの戦についての話になるだろう。
こうしてラディスとふたりきりになれる時間は、きっと当分なさそうだ。
(訊くなら、今しかない)



