男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


「そういう可愛い反応をされると、今度こそ抱くからな」
「ばっ」

 バカと返そうとして、気づく。

「“今度こそ”?」

 まるで、今回は何もなかったかのような言い方だ。
 はっきりとは覚えていないが、昨日私たちは確かに……確かに?

(なんで、覚えてないんだ?)

 肌を重ねて、何度もキスをして、触れられて、とてつもなく恥ずかしかったことは覚えているけれど。
 すると、そんな私を見てラディスは軽くため息を吐いた。

「覚えていないのか? まぁ、だろうな」
「え?」
「お前、昨日途中で目を回してそのまま寝たからな」
「え」

(途中で……?)

 目をパチパチと瞬いて、半眼になっているラディスを見つめる。

「じゃあ……」
「ああ、未遂だ」