男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


 恥ずかしい台詞だけれど、恥ずかしいとは思わなかった。
 ただ彼に伝えたかった。
 大丈夫だと、安心して欲しかった。

「だから――っ」

 唇を塞がれて、それがキスだとわかって、私はそれを受け入れる。
 息がつけないくらいの激しいキスだった。
 でも彼の気持ちが伝わってくる、とても愛おしいキスだった。

 それが離れたときにはもう頭も体もふわふわとしていて、その後のことはあまり記憶にない。

 ……ただ。

「愛してる」

 そう何度も囁かれて、何度もキスをされて。

「藤花」

 何度も、何度も、幸せそうに名を呼ばれたことは覚えている。

 私はそれを嬉しく思いながら、彼の腕の中で眠りについた。