男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


「……で、では、魔女の目的は」

 ロドニーさんが神妙な顔で訊くとラディスは目を伏せた。

「わからず仕舞いだ。……だが」

 と、ラディスが私を見た。

「トーラの想像通りかもしれん」
「え?」
「俺たちへの逆襲だ。……あの魔女はそういう目をしていた」

 重い沈黙が流れて。

「――こ、この森に火を放つというのはどうですか?」

 そう思い切るように声を上げたのは先輩の中で一番若いカルーシさんだった。
 私はぎくりとする。

 すると、ラディスは彼に厳しい目を向けた。

「やめておいた方がいいだろうな。それこそどんな災いが振りかかるかわからん。それに、近隣の村にまで被害が及ぶ可能性もある」
「そ、そうですね……」

 それを聞いてラディスがこの森を……サクラ村を守ってくれたのだとわかった。

「城に戻るぞ」
「はっ!」

 ラディスの号令で私たちは早々に馬に跨り、この『魔女の森』から脱出した。