「そういえば、先輩たちはどこまで知ってるんだ?」
途中、小声で訊くとイリアスは言った。
「あー、先輩たち爆睡してたからなぁ。多分なんも知らないはずだ。団長、どう説明する気だろうな」
馬たちに続いてイリアスや先輩たちが消えてしまって本気で焦ったことを思い出す。
「……え? でも、じゃあなんでお前は平気だったんだ?」
「平気っつーか、俺が一番に目ぇ覚めてさ。近くで寝てる先輩たちを起こそうと思ったら、フェリーツィア……じゃないのか、その姉さん? を連れた団長が現れて」
きっとその場所もラディスがフレージアに案内させたのだろう。
「そんで、これからお前を助けに行くっていうから無理やりついてった」
「無理やり?」
「団長には先輩たちとこの場に残れって言われたんだけどさ、お前が攫われたってのにただ待ってるなんて出来ねーし」
「イリアス……」
私がまた感動していると、イリアスはニッと笑った。
「ほら、いつだか言ったろ? お前がいなくなったら探しまくって絶対連れ戻すって」
私は目を見開く。
……そうだ。
不安に駆られた夜、イリアスのその言葉を聞いて酷く安心したのだ。
「ありがとう、イリアス」
改めてきちんとお礼を言うと、イリアスは照れてしまったのか前に向き直りぶっきらぼうに言った。
「親友なんだから、当然だろ」
そんな彼に微笑んで、私はもう一度謝る。
「なのに、ごめんな。オレ、助けにきてくれたお前たちをあんな……」
「まぁ、そりゃ驚いたけどさ。こうして皆無事なわけだし、結果オーライってやつだろ!」
そうしてまた笑ってくれた彼に、私はもう一度ありがとうとお礼を言った。



