「……ごめん」
「え?」
私の小さな謝罪に、フレージアが目を瞬いた。
もう一度、私は彼女を見つめ謝罪する。
「ごめん、フレージア。やっぱり私はここには残れない」
ガチャと背後の扉を開ける。
「仲間と一緒に騎士団に戻るよ」
「!?」
フレージアが息を呑んで、私はそんな彼女に背を向け扉を開け放った。
暗く狭い物置部屋の中でラディスが驚いたようにこちらを見上げている。
私は笑顔で言う。
「皆のところへ戻ろう、ラディス」
「しかし、お前……」
私は腰に括っていた携帯用ナイフを手に取り、ふたりを縛っている縄を切っていく。
そしてラディスの後ろで俯いている友人に声を掛けた。
「イリアスも、もう起きてんだろ?」
ビクッとその肩が分かりやすく跳ねて、その目がゆっくりとこちらを見た。
その酷くバツの悪そうな顔を見て、私はふっと苦笑する。
「いびきの煩いお前が、こんなに静かなわけないだろ」
「……っ」
いつからかはわからないが、イリアスも私たちの会話を聞いていたのだ。
ここまできて私の正体がわからないほど彼も間抜けじゃない。
全部、イリアスにバレてしまったのだ。



