「とう……っ」
私の名を呼ぼうとしたのだろう。しかし、彼もそのまま力尽きたように倒れ込んでしまった。
「ラディス!」
彼女の手が離れ、今度こそ私はふたりの元へと向かう。
膝をついて焦ってふたりの様子を確認するが、彼女の言う通りどうやら深く眠っているだけのようでほっと胸を撫でおろす。
「おばば様!」
そしてダフニさんの方へと駆けて行ったのはフレージアだ。
手を後ろで縛られたまま、彼女はダフニさんの前に跪き頭を垂れた。
「申し訳ありません、おばば様! この森に火をかけると脅され、こうするしか……」
「良いのですよ。無事に帰ってきてくれて何よりです。それに、貴女たちのお陰でこうして聖女様をこの村にお迎え出来たのですよ」
「聖女、様……?」
顔を上げ、きょろきょろと辺りを見回すフレージア。
……そうか。フレージアはまだ私のことを知らないのだ。
そんな彼女を見て、ダフニさんが可笑しそうにふっふっと笑う。
「今は少し違うお姿をされていますがね」



