そのとき名乗りを上げ私の隣に立ったフェリーツィアを見て、イリアスの目が真ん丸になった。
ラディスもさすがに驚いている。瓜二つの人間がもうひとり現れたのだから当然だろう。
「バカっ!」
彼女を止めようとしたのか、その腕を掴んだフヌーディが背後で叫ぶ。
しかし彼女はその手を振り払い続けた。
「城には私が行く。だからその人を離して!」
「なんで出てきたの!?」
フェリーツィアの姿を見てフレージアが悲鳴のような声を上げた。
「えっ、え?」
そんなふたりのやり取りを見て、イリアスは大混乱しているようだった。
と、ラディスの鋭い視線が私に刺さる。
「トーラ、説明しろ」
「えっ、と……」
“冷徹騎士団長”を思い出させるその視線にダラダラと冷や汗が出てくるのを感じた。
「っつーか、お前いつまでそっちにいんだよ。早くこっちに来いよ!」
イリアスにそう突っ込まれ、そうだよな、そうなるよな、と思いつつもその場から動くことが出来ない。
(ど、どうすりゃいいんだ)



