男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


「無事だったのか!」

 イリアスがホッとしたように声を上げる。
 ラディスは私と目が合っても何も言わなかったけれど、その顔がやはり安堵するのがわかった。
 心配を掛けてしまったことを申し訳なく思いながら私は頷く。

「ああ、オレはなんともない。だから、彼女は離してやってくれ」
「は? でも、こいつは城に……」

 イリアスが戸惑うようにラディスの方をちらりと見た。
 ラディスもワケを訊きたそうに眉をひそめている。

 ――そうだ。
 元々私たちの任務は騎士団に呪いを掛けた魔女の捜索と確保。
 私が無事だとわかれば、彼女をこのまま城へと連行するつもりだったのだろう。
 でもそうなったら彼女はきっと処刑されてしまう。
 最悪、この村だって危なくなる。

(どうすればいい)