「オレが行く」
「ダメ!」
ドアの方に向かおうとしたところをフェリーツィアに阻まれた。
鋭い目つきで手を広げ彼女は続ける。
「やっと見つけた貴女を、騎士団なんかに渡すわけにいかない!」
「でも、このままじゃあんたの姉さんが」
「姉さんだって、そのくらいの覚悟出来ているはずだわ」
確かに、彼女たちが聖女として城に潜入するのは相当の覚悟が必要だったろう。
もし聖女がいたとしたら、偽物としてその場で処刑されていたかもしれないのだ。
しかし、そんな厳しい言葉とは裏腹にフェリーツィアの瞳は大きく揺れていて、私は小さく息をつく。
「渡すも何も、オレはレヴァンタ騎士団の見習いトーラだ。まだここに残ると決めたわけじゃない」
「……っ!」
「それに、これ以上『聖女』のせいで誰かが苦しむのは嫌だ」
フェリーツィアがその青い瞳を大きくした。



