私たちがこの場を離れたのは5分かそこらだ。
どうやって皆が消えたのかわからないけれど、連れて行かれたのだとしたらまだそんなに遠くには行っていないはずだ。
「ダメだ」
「なんでだよ!」
ラディスが視線だけを動かし続ける。
「俺たちはおそらく見られている。お前が空を飛んだら奴らはどう思う?」
「でも……じゃあどうすりゃいいんだよ!」
「落ち着け」
「こんなの落ち着けるわけないだろ!?」
逆にこんなときでも落ち着き払っているラディスにまた腹が立ってくる。
愛馬と仲間が4人も消えてしまったのに。
団長として、動揺出来ないとわかってはいるけれど。
でも彼はそんな私に顔を近づけると囁くように言った。
「あのときを思い出してみろ」
「あのときって」



