男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される



 その中をどのくらい歩いただろうか。
 特に何も起こらず、何も見つからないまま日は傾き、元々薄暗かった森の中は視界が利きにくくなってきた。
 結局今日はここまでにしようということになり、少し拍子抜けした気分で私たちは馬たちの元へと戻ることになった。


 しかし、その拠点に戻ってみて私たちは愕然とした。

「嘘だろ……」

 思わずそんな呆けた声が漏れていた。
 私だけじゃない。騎士の皆が私と同じような顔をしていた。

 この場に繋いでいたはずの馬たちが1頭も残らず忽然と姿を消していたのだ。