男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


 先ほどのラディスの言葉を思い出しまた顔が熱くなった。
 寝ぼけていたとは言え、恥ずかしいったらない。

(……やっぱり、ラディスと部屋にふたりっきりは心臓に悪いな)

 野宿は嫌だけれど、またこういう緊張をしないで済むのは助かるなと思ってしまった。


 そして私は身支度を整え部屋を出た。
 すると、丁度イリアスも部屋から出てくるところで。

「おはよう」

 声をかけると私に気付いてイリアスがまだ眠そうに笑った。

「ああ、おはよ。よく眠れたか?」
「まあな。お前は、よくちゃんと起きられたな」
「先輩に叩き起こされた」
「だと思った」

 大欠伸をするイリアスを見て笑ってしまった。
 そして、果たして先輩はイリアスのあのいびきの中ちゃんと眠れたのだろうかとちょっと心配になったりした。