「ふたりきりのときはいつも通り話せ」
「……でも、一応今は任務中だし、普通に話してるのを誰かに聞かれてもマズイだろ。ここ壁薄そうだし」
「あいつと同室で緊張したことはないのか」
「え?」
あいつ……イリアスのことかと気付いて私はベッドに腰を下ろした。
「最初は緊張したよ」
「したのか」
「そりゃ、いきなり知らない男と同室って言われたらなぁ。女だってバレないようにしなきゃっていう緊張もあったし」
「……そうか」
「でもああいう奴だからいつの間にか慣れてたな。今じゃ家族っていうか、弟みたいだって思うときもあるくらい。向こうのが年上なんだけどな」
そう言ってハハと笑っていると、ラディスはベッドから立ち上がった。
そのままこちらへやってきて私を見下ろした。
「どうした?」
「……気が変わった」
「え?」
そうして肩に手を置かれたかと思うと、そのまま体重を掛けられベッドに押し倒された。
「――はっ!? お、おい!?」
そのなんだか不機嫌そうな顔を見上げ焦る。
「仲の良さを見せつけられたようで面白くない」
そう低く言われてさーっと青くなる。……あのヴィオーラ亭でのことを思い出した。
あのときはザフィーリだったけれど。
(まさか、イリアスにまた嫉妬してんのか!?)



