キアノス副長の身体に、何かドス黒い煙のようなものが幾重にも巻きついているのが見える。
きっとこれが呪いの正体。これを取り除けば、きっと副長は助かるはずだ。
いつの間にか淡く輝いていた自分の手でその煙に触れる。――と、ぶわっと触れた部分を中心にしてその黒いものが放射状に散って消えていった。
「うっ」
そのとき、キアノス副長の小さな呻き声が聞こえた。
目を開けると彼の身体が淡く輝き出していて、私は確信する。
(よし、行ける!)
もう一度かたく目を閉じ、同じようにイメージの中で副長に巻きついている禍々しい黒煙を次々消していく。
( 消えろ! )
そして、全ての煙がキアノス副長の周囲から消え去ったのを確認して、私はゆっくりと目を開けた。
キアノス副長の身体から先ほどの輝きが消えていた。
でも、その顔には生気が戻っていた。あんなに冷たかった手も今は温かい。
元の凛々しく美しいキアノス副長に戻っていて私はホッと息を吐いた。
きっとこれでもう大丈夫のはずだ。



