男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


 私は立ち上がって深く頭を下げた。

「……なぜそこまであいつの肩を持つ」
「だって、あいつは同期で、友人だから」

 ザフィーリは誰とも連んだりしない一匹狼タイプだけれど、ひとりでしっかり努力して騎士の称号を手にしたのだ。
 そんな彼のことは誰もがちゃんと認めている。イリアスだって、口では文句ばかりだけれど、その実力はちゃんと認めているはずだ。

「ザフィーリは私たち同期の中でも一番真面目で、一番騎士に向いていると思うんだ」

 それをこんなことでその名を剥奪されてしまったら、きっとショックで立ち直れないんじゃないかと思った。

「だから、」
「その真面目な奴が女にうつつを抜かし、こんな腑抜けたことを考えたわけか」

 ――っ!

 その冷静な言葉に、胸を抉られたような気がした。

「仕方ないだろう!」

 思わず大きな声を出すと、ラディスが目を大きくしてこちらを見上げた。