ブラウザアプリを起動して、閲覧履歴の残らないモードに切り替えてから、私は自分の、ほとんど使っていないSNSのアカウントにログインした。
メールアドレスとパスワードに関する私の記憶は間違っていなかったらしい。問題なくそれにログインすることができた私は、まずは自分のフォロワーのリストから祥平の名前を探した。
祥平はそこそこ、人望に厚いひとらしい。とにかく、彼は友人が多いので、彼のアカウントさえ見つけてしまえば、そこから学校のひとのアカウントをたどることができるだろう。
祥平のアカウントはすぐに見つかった。私は彼のアカウントの画面を開いた。けれど、祥平にメッセージを送ることはしない。
私は綾人くんのタブレット端末を操作して、祥平とSNS上でつながっている学校の人の名前をひとつひとつなぞった。
私は、依央の名前を探していた。
正直、依央がSNSをやっているだろうという読みは、博打に近いものだった。けれど、情報化社会のこのご時世、私ですら持っているSNSのアカウントを、依央だったらなおさら持っているに違いないと思っていた。
下に、下にとスクロールを重ねる。
私の読みは当たったらしかった。かなり下のほうにスクロールすると、突如として、まさに今追い求めていた彼の名前が目に飛び込んできた。
手が震える。
ひとつも投稿がない、それこそ、動いているのかどうかすらわからないような、そんなアカウントだった。けれどフォロワーがそこそこ多かったので、ただ彼がSNSに投稿をしない人種というだけかもしれない。本当のことは、その情報だけではわからない。
私は意を決して、彼のアカウントをフォローしたのちに、メッセージを送った。
<依央、わたしです。たすけてください>


