<OMAKE2>
『私は、そんなふうに思ってもらえるような人間じゃ……』
『知るかよ。……たとえお前がどんな奴であろうと、俺はどこまでもお前を追いかける』
『……それは、刑事だから……?』
『好きだからに決まってんだろ、バーカ』
「はあー……。素敵……」
「…………………………」
とろんとした目元に、洩れた酷く熱っぽいため息。その日の夜も、オレは“テレビ”という名の浮気相手に、一際苛々を募らせていた。
「ツバサ出てないじゃん」
「ええ! 出てたよ!」
「どこ」
「旅館の女将さんだよ。実は裏の顔、情報屋やってんだよ。さっきの刑事に、彼女の過去をバラしちゃって……」
ま、そんなこと知ってるけど。
男役じゃねえのかよって、聞いた時真っ先に思った。まあその女将にもオネエ設定あるのかもしれないけど。
月9ドラマの脇役。しかも男役か女役かも定かでない。
……まさか、ここまでゾッコンすることになろうとは。
ピンポーン。
夜遅くになったチャイムに、「誰?」と二人顔を見合わせる。行ってくると、彼女の頭を撫でてから腰を上げると、何故かガチャリと家の扉が開いた。
「ひなたー? いねえの?」
「……ツバサ? まさかまた?」
言うが早いか、玄関に座り込んだ兄は、疲れた様子で手を合わせてきた。
どうやらまた、家の前が大変なことになっているらしい。と言っても実家じゃなくて一人暮らしをしている家。
「もうあの家もアウトだね。ご愁傷様」
「早く次の家見付けねえと……」
『私は、そんなふうに思ってもらえるような人間じゃ……』
『知るかよ。……たとえお前がどんな奴であろうと、俺はどこまでもお前を追いかける』
『……それは、刑事だから……?』
『好きだからに決まってんだろ、バーカ』
「はあー……。素敵……」
「…………………………」
とろんとした目元に、洩れた酷く熱っぽいため息。その日の夜も、オレは“テレビ”という名の浮気相手に、一際苛々を募らせていた。
「ツバサ出てないじゃん」
「ええ! 出てたよ!」
「どこ」
「旅館の女将さんだよ。実は裏の顔、情報屋やってんだよ。さっきの刑事に、彼女の過去をバラしちゃって……」
ま、そんなこと知ってるけど。
男役じゃねえのかよって、聞いた時真っ先に思った。まあその女将にもオネエ設定あるのかもしれないけど。
月9ドラマの脇役。しかも男役か女役かも定かでない。
……まさか、ここまでゾッコンすることになろうとは。
ピンポーン。
夜遅くになったチャイムに、「誰?」と二人顔を見合わせる。行ってくると、彼女の頭を撫でてから腰を上げると、何故かガチャリと家の扉が開いた。
「ひなたー? いねえの?」
「……ツバサ? まさかまた?」
言うが早いか、玄関に座り込んだ兄は、疲れた様子で手を合わせてきた。
どうやらまた、家の前が大変なことになっているらしい。と言っても実家じゃなくて一人暮らしをしている家。
「もうあの家もアウトだね。ご愁傷様」
「早く次の家見付けねえと……」



