<OMAKE1>
それは夕方、たまたま仕事の合間に一旦家へ帰った時のことだった。
「……ありゃ?」
郵便受けに入っていた綺麗な封筒。そこにはここの住所と【朝日向葵様】の宛名。公表して以降というもの、わたしへの郵便物に関しては朝日向の方へと届くようになっていた。
そこで篩に掛けられ、速達並びに緊急を要するものに関しては、経由してここまで届くか。直接わたしが出向くように、なっているんだけど。
「何も、連絡は来ていない、か」
だったら、わたしがここに住んでいることを知っている誰かが、直接届けたんだろう。郵便局の印もないし、本当にダイレクトにポストに入れたらしい。
「シズルさんに一応報告入れるべきなんだろうけど……」
でも、こんなにも素敵な郵便物なのだ。悪意なんてもの、微塵も感じはしないし。
「招待状? ……なんだろう」
封印をそっと破り、中をゆっくりと確認する。その中には、たった一枚カードが入っているだけだった。
「えーっと、写真展? の招待状……って、アヤさんからだ!」
しかも日付が今日じゃないか。アヤさんったらもう、おっちょこちょいなんだから。
「写真展の公開自体は本日の10時からで、しばらくの間ホテルに写真が飾られるんだって。それで、今日の18時からアヤさんとモデルさんの紹介があった後、プロデビューを祝してパーティーをするから、それにご招待させていただきます、だって!」
『ふーん』
「ヒナタくんも行くよね! というか行こうね! わたしも超特急で仕事終わらせてくるからさ!」
『……あー、ごめん』
「あれ? 無理そう? 仕事終わらない?」
『……あのさ』
電話口で少し渋った彼は、申し訳なさそうに言った。
『それもあるんだけど、あんた宛に来たんでしょ。しかも直接』
「でも、ヒナタくんも行こうと思えば行けるよ? アヤさんも、それはわかって持ってきてるんだろうし」
『せっかく呼ばれたんだから、楽しんでおいでよ』
「えー、本当に行かないの?」
『まあ仕事残ってるのは本当だし、今日金曜でしょ?』
「でも今日は何も入ってないって……」
それは夕方、たまたま仕事の合間に一旦家へ帰った時のことだった。
「……ありゃ?」
郵便受けに入っていた綺麗な封筒。そこにはここの住所と【朝日向葵様】の宛名。公表して以降というもの、わたしへの郵便物に関しては朝日向の方へと届くようになっていた。
そこで篩に掛けられ、速達並びに緊急を要するものに関しては、経由してここまで届くか。直接わたしが出向くように、なっているんだけど。
「何も、連絡は来ていない、か」
だったら、わたしがここに住んでいることを知っている誰かが、直接届けたんだろう。郵便局の印もないし、本当にダイレクトにポストに入れたらしい。
「シズルさんに一応報告入れるべきなんだろうけど……」
でも、こんなにも素敵な郵便物なのだ。悪意なんてもの、微塵も感じはしないし。
「招待状? ……なんだろう」
封印をそっと破り、中をゆっくりと確認する。その中には、たった一枚カードが入っているだけだった。
「えーっと、写真展? の招待状……って、アヤさんからだ!」
しかも日付が今日じゃないか。アヤさんったらもう、おっちょこちょいなんだから。
「写真展の公開自体は本日の10時からで、しばらくの間ホテルに写真が飾られるんだって。それで、今日の18時からアヤさんとモデルさんの紹介があった後、プロデビューを祝してパーティーをするから、それにご招待させていただきます、だって!」
『ふーん』
「ヒナタくんも行くよね! というか行こうね! わたしも超特急で仕事終わらせてくるからさ!」
『……あー、ごめん』
「あれ? 無理そう? 仕事終わらない?」
『……あのさ』
電話口で少し渋った彼は、申し訳なさそうに言った。
『それもあるんだけど、あんた宛に来たんでしょ。しかも直接』
「でも、ヒナタくんも行こうと思えば行けるよ? アヤさんも、それはわかって持ってきてるんだろうし」
『せっかく呼ばれたんだから、楽しんでおいでよ』
「えー、本当に行かないの?」
『まあ仕事残ってるのは本当だし、今日金曜でしょ?』
「でも今日は何も入ってないって……」



