すべての花へそして君へ③


 まさか私、女の子以前の問題で、人間だとすら思われてなかったってこと!? 確かに今思えばかなりの忠犬だったかもしれないけど!


「ま、その辺は気が向いたらということで」

「ええ!? 私的には、結構重要なラインだよ!?」

「それよりも先輩、部長のことほったらかしでいいんですか」

「……!? わ、忘れてた」

「よかったですね、モテ期到来」

「わ、私は不特定多数よりも、たった一人に好きになってもらいたいの!!」


 明日もまた顔合わせなきゃいけないし! ていうか、改めて話するって言われたし……!
 恋愛初心者には、いろいろいきなりハードルが高いけれど。……でも、こんな風に前向きでいられるのは、誰が何と言おうとあなたのおかげだ。それに。


「……ま。今後に期待かな」

「ちょっと! 聞いてる桐生君!」

「頑張ってくださいねー? 座敷童さん」

「……くそう。……い、今に見とれよ……!?」


 知っているかい桐生君。
 魔王はね、勇者にやっつけられるって、相場が決まっているんだよ。


「いつか絶対に押し倒してやるんだからあー!」

「……やですよ。それこそ黒歴史になるから」










 Special Edition 2
 白馬の王子は魔王様?