18歳3ヶ月とXX日、午後1:34。
今度から、倒れる前は、もうちょっと可愛らしいことをしよう。
「ごほっごほっ。はあ……ごほっ」
今になって思う。初体験だからって、日記という記録を残しておくために、なんでわざわざ117に電話したのだろうかと。
……うん、今のうちに考えとこう。取り敢えず、時間は確認しない。
病院に運ばれ、点滴に繋がれること七日間。インフルエンザに肺炎を拗らせたわたしは、はじめは面会謝絶になってしまうほど酷い症状だったけれど、それも無事落ち着き。本日、ようやく花咲の家へ帰宅できることとなった。
「……子供の時に引くより大人になってから風邪を引く方が酷いと聞くけれど……」
まさか、こんなにしんどいとは。侮っていた、風邪菌を。
いや、ここまで酷くなってしまったのはわたしのせいか。
(ツバサくんと別れた時はまだ、軽い咳と鼻声だけだったけど……)
次の日、喉が痛くなって。その次の日は、頭が痛くなって。そんでもってその次の日は、咳が酷くなって。そんでもってそんでもって、熱が高くなってきて……。
「……そんでもって、ふらっと倒れて運ばれたと」
気付いた時には、すでに病院のベッドに寝かされていた。ちょうど、シズルさんに次の仕事の指示を出してたところだったので、恐らく彼が運んでくれたのだろう。彼の仕業なら、わざわざ面会謝絶にしたのも頷ける。
「だからまあそろそろ……」
連絡が取れなくなって、何らかの方法でわたしがそんな状態だって知って、そして有りと有らゆる手段で病院を突き止めたはいいけど、結果面会謝絶。
それが数日続いたとなると、そろそろ禁断症状が出始めて……。
「|How is your cold now!?《風邪の具合はどうなの!?》」
「Fuck it...」
ほら来たうるさいの。



