唐突にもほどがあるんですけど。仮にも司法修習生。まだ、25歳ですよ俺。
「頭は回るが、なんでも女運がないと聞いてな」
「……いや、ないというか……」
「初恋は幼馴染み。片想いで叶わぬ恋。そして次は、現れた可愛い女の子にさっさと乗り換え」
「……それだけ魅力的だったんです。何ですか。当て付けですか。やっぱりまだ楓さんと喧嘩してるんですね」
「あの子はそういう子だ。……誰も彼もを魅了する何か、特別な力を持っている」
「……特別な、力……」
まさか、あの体質がそうさせているわけじゃないだろう。
きっと、それは彼女の本質。そして、培ってきた心の強さが、彼女の魅力の表れなんだ。
「だから別に、乗り換え早えなこいつとか思ってないぞ別に」
「それ思ってるヤツですから」
「寧ろそれくらいの方がこの仕事は向いているかもしれん」
「……え? それってどういう……」
「大事なものがあればあるほど、動きにくくなる。もしお前がこの先、伸ばしてきた手を一つでも多く掴もうとするなら尚更」
「……それは、実体験?」
「そうして私は、失いかけた」
「……」
考えたことが、ないわけじゃない。大事なものを守るためにしていることのはずなのに、何故それが枷になるのか。傷付けるのか。そういう壁には、過去に何度とぶつかってきている。
だから今、俺はここにいる。
「さあ。……お前はどうする」
「……俺は」
俺の答えは――――……。



