すべての花へそして君へ③


「……大丈夫ですか?」

「うんっ平気だよ?」

「そうですか。……ならよかった」

「でもおれね? 桃ちゃんみたいにあんまり我慢強くはないんだよねー」

「え?」

「だから……」


 そして、まるであの夜と同じように。彼の指先が、首元の髪へと、そっと伸びてくる。


「えっ」


 そして、そのまま一気に距離を詰められ、耳元で彼は囁いた。


「……あんまり待たせたら、きっと桃ちゃん困っちゃうよ?」

「……!!」

「あは!」

「え? ……あの、……えーっと。……え、ええ!?」


 彼女の顔が真っ赤なのは、はてさて、彼との距離が近かったせいか。……それとも。










 Special Edition 1
 さくらんぼの甘い秘密