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その後、お二人の対決は――
「おうり!」
「……ぎ、ぎもぢわるい……」
「あ、あかねさん! ギブです! 桜李さんギブです!」
私が無理矢理タオルを投げ込んだことにより、事なきを得たのだった。これでよかったのかは、ちょっとよくわかんないけど。
「着替えてくるから、ちょっと待っててね」と、桜李さんが席を外している間、少しあかねさんと話をすることになった。
「ごめんねえ。いつもおうりの奴が迷惑かけてたんでしょう」
「え? い、いえ。そんなこと……」
「いいんだよ気を遣わなくて。……仲良くしてやってくれて、ありがとうね」
「あ。……それは、あの。私の方……なので」
何とかそう伝えると、あかねさんはいろいろ察してくれたのか、私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。
あかね――それは、電話の相手の名前。勝手に女性の方だと勘違いしていたけれど、それが男性の方だと知ってちょっと安心した。にしても、ひな子の連絡帳の中身よ。本当、怖いんだけど。
「あいつ、ちょっと難しい奴だからさ。だから、ももかチャンと仲良くなってて嬉しいのもあったし、ちょっと驚いたのもあるんだ」
「……難しい、ですか」
「うん。昔はそんなことなくって、自分の思いを伝えるのに一生懸命な、気遣いしてばっかりの奴だったんだけどさ」
……誰に似たんだか。なんか、いろいろ性格ねじ曲がっちゃって。ちょっと面倒くさい奴になっちゃってたんだよね。ほんと、誰に似たのか知らないケド。
そう言うあかねさんの目は、まるで死んだ魚のよう。一体彼の目には、誰が映っているのだろうか。
「……自分の思いを一生懸命伝えるとか、気遣いしてばっかりとかは、よくわかる気がします」
だって、いつもあなたは元気で明るくて。その元気を、私に分け与えてくれていたから。いつも、私のことを気にかけて、そして助けてくれたから。
「ただ、少しズルいなって思います。大人だから」
「……どんなときに、ズルいなって思ったか。聞いてもいい?」
「え? ……話を濁された時、でしょうか」
「何の話を濁された?」
言ってもいいのかな。でも、なんでも知っている仲なら、言っても問題ないか。
「桜李さんが、医者を目指している理由です」
「……」
「他の話題に話をずらされて、結局その時は“また今度”と線を引かれました」
「……」
「けど、多分教えてはくれると思うんです。教えてくれようとはしていたんですきっと」
「……うん。そうだね」
彼には、桜李さんが続きを話さなかった理由がわかるのだろうか。
「おうりがその時話さなかったのは、それよりも先にすることがあったからかもしれない」
「……すること?」
その後、お二人の対決は――
「おうり!」
「……ぎ、ぎもぢわるい……」
「あ、あかねさん! ギブです! 桜李さんギブです!」
私が無理矢理タオルを投げ込んだことにより、事なきを得たのだった。これでよかったのかは、ちょっとよくわかんないけど。
「着替えてくるから、ちょっと待っててね」と、桜李さんが席を外している間、少しあかねさんと話をすることになった。
「ごめんねえ。いつもおうりの奴が迷惑かけてたんでしょう」
「え? い、いえ。そんなこと……」
「いいんだよ気を遣わなくて。……仲良くしてやってくれて、ありがとうね」
「あ。……それは、あの。私の方……なので」
何とかそう伝えると、あかねさんはいろいろ察してくれたのか、私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。
あかね――それは、電話の相手の名前。勝手に女性の方だと勘違いしていたけれど、それが男性の方だと知ってちょっと安心した。にしても、ひな子の連絡帳の中身よ。本当、怖いんだけど。
「あいつ、ちょっと難しい奴だからさ。だから、ももかチャンと仲良くなってて嬉しいのもあったし、ちょっと驚いたのもあるんだ」
「……難しい、ですか」
「うん。昔はそんなことなくって、自分の思いを伝えるのに一生懸命な、気遣いしてばっかりの奴だったんだけどさ」
……誰に似たんだか。なんか、いろいろ性格ねじ曲がっちゃって。ちょっと面倒くさい奴になっちゃってたんだよね。ほんと、誰に似たのか知らないケド。
そう言うあかねさんの目は、まるで死んだ魚のよう。一体彼の目には、誰が映っているのだろうか。
「……自分の思いを一生懸命伝えるとか、気遣いしてばっかりとかは、よくわかる気がします」
だって、いつもあなたは元気で明るくて。その元気を、私に分け与えてくれていたから。いつも、私のことを気にかけて、そして助けてくれたから。
「ただ、少しズルいなって思います。大人だから」
「……どんなときに、ズルいなって思ったか。聞いてもいい?」
「え? ……話を濁された時、でしょうか」
「何の話を濁された?」
言ってもいいのかな。でも、なんでも知っている仲なら、言っても問題ないか。
「桜李さんが、医者を目指している理由です」
「……」
「他の話題に話をずらされて、結局その時は“また今度”と線を引かれました」
「……」
「けど、多分教えてはくれると思うんです。教えてくれようとはしていたんですきっと」
「……うん。そうだね」
彼には、桜李さんが続きを話さなかった理由がわかるのだろうか。
「おうりがその時話さなかったのは、それよりも先にすることがあったからかもしれない」
「……すること?」



