――――――…………
――――……
……痛い。なんで痛いんだっけ。
「あ、あの……」
「ん? なになに? なんでも聞いてよお。おうりのことなら、もうなんでも知っちゃってるからさあ」
……あ。そうだ。かかと落とし、食らったんだっけ。結構もろに。
なんとか急所を、おれも向こうも外れるようにしたお陰で、目が回っただけで済んだらしい。危ない危ない。
「あかね。変なこと言ったら問答無用で投げ飛ばすからね」
本当、危ない危ない。目を覚まさなかったら、何を言われていたことか。
「えー? 変なことって、たとえばどんなことかなあ?」
「あかねが今思い当たってることだよ!」
「どれだろお? あれかな? ビービー泣きながらいつもおれの後をついてきてたことかな?」
「そんなことしてない!」
「えー? じゃあ、お化け屋敷に入った時にいー」
「おれお化け屋敷人生で一回も入ったことないもん!」
あ、ダメだ。この時点で結構なダメージ。
もうここは、必勝法あるのみ。
「……悪いけどあかね、おれもうこれで上がらせてもらうから」
「ええ!? おうり! それはちょっと困るんだけど」
「最初からおれ言ってたでしょ。今日は昼過ぎで上がるからって」
「それはそうだけど……」
嘘はついていない。本当に、今日は午後から予定を入れていたんだ。
なのに……こら。そんな目で桃ちゃんを見るな。
「あの、お邪魔でしたら……」
「邪魔なわけないでしょ」
助けを求めるあかねの視線に、立ち上がろうとした彼女の腕を掴んで止める。
(……ひなちゃんめ……)
何が、『近々改めてお礼させてくださいませ』だ。
何が、『今回ばかりは、させていただかないとあたくしの気が収まりませんわ』だ。
な・に・が、『すぐお持ちしますから、楽しみにしていてくださいませ』だ!
(……こんなの、卑怯でしょ)
確かに、初めはクール系な子かなと思った。身長高かったし。でも、彼女のことを見ていたら、たくさん可愛いところが見付かった。フィルターがかかった今じゃ、普通にしてたって可愛いのに。
「……! お、桜李さん?!」
「……ごめん、ちょっとクラッときた」
「え。それって、もしかしてさっきの技のせい……?」
「そうかもしれない……」
きっと今頃、とある女の子が言っているんだろうなあ。『恋する乙女の力、思い知るがいいですわ!』みたいなこと。
「あの、あかねさんお願いがあります」
「……何かな」
「桜李さん体調が優れないみたいなので、今日はもう上がらせてもらうことはできないでしょうか……」
「……ももかチャン……」
これが最高傑作。成る程。これは完敗だ。
だって、正直可愛すぎて今桃ちゃんのこと、まともに見られないも――
「あの。その代わりと言ってはなんですが、私がその分をお手伝いさせてもらおうと思いますので」
…………ん?
――――……
……痛い。なんで痛いんだっけ。
「あ、あの……」
「ん? なになに? なんでも聞いてよお。おうりのことなら、もうなんでも知っちゃってるからさあ」
……あ。そうだ。かかと落とし、食らったんだっけ。結構もろに。
なんとか急所を、おれも向こうも外れるようにしたお陰で、目が回っただけで済んだらしい。危ない危ない。
「あかね。変なこと言ったら問答無用で投げ飛ばすからね」
本当、危ない危ない。目を覚まさなかったら、何を言われていたことか。
「えー? 変なことって、たとえばどんなことかなあ?」
「あかねが今思い当たってることだよ!」
「どれだろお? あれかな? ビービー泣きながらいつもおれの後をついてきてたことかな?」
「そんなことしてない!」
「えー? じゃあ、お化け屋敷に入った時にいー」
「おれお化け屋敷人生で一回も入ったことないもん!」
あ、ダメだ。この時点で結構なダメージ。
もうここは、必勝法あるのみ。
「……悪いけどあかね、おれもうこれで上がらせてもらうから」
「ええ!? おうり! それはちょっと困るんだけど」
「最初からおれ言ってたでしょ。今日は昼過ぎで上がるからって」
「それはそうだけど……」
嘘はついていない。本当に、今日は午後から予定を入れていたんだ。
なのに……こら。そんな目で桃ちゃんを見るな。
「あの、お邪魔でしたら……」
「邪魔なわけないでしょ」
助けを求めるあかねの視線に、立ち上がろうとした彼女の腕を掴んで止める。
(……ひなちゃんめ……)
何が、『近々改めてお礼させてくださいませ』だ。
何が、『今回ばかりは、させていただかないとあたくしの気が収まりませんわ』だ。
な・に・が、『すぐお持ちしますから、楽しみにしていてくださいませ』だ!
(……こんなの、卑怯でしょ)
確かに、初めはクール系な子かなと思った。身長高かったし。でも、彼女のことを見ていたら、たくさん可愛いところが見付かった。フィルターがかかった今じゃ、普通にしてたって可愛いのに。
「……! お、桜李さん?!」
「……ごめん、ちょっとクラッときた」
「え。それって、もしかしてさっきの技のせい……?」
「そうかもしれない……」
きっと今頃、とある女の子が言っているんだろうなあ。『恋する乙女の力、思い知るがいいですわ!』みたいなこと。
「あの、あかねさんお願いがあります」
「……何かな」
「桜李さん体調が優れないみたいなので、今日はもう上がらせてもらうことはできないでしょうか……」
「……ももかチャン……」
これが最高傑作。成る程。これは完敗だ。
だって、正直可愛すぎて今桃ちゃんのこと、まともに見られないも――
「あの。その代わりと言ってはなんですが、私がその分をお手伝いさせてもらおうと思いますので」
…………ん?



