そして始まるヒナタくんの猛抗議。
『オレもやってたから知ってるけど、ご飯とか洗濯物とか。正直一人分も二人分も変わんなくない?』
「……へ?」
『家族全員分……花咲家だったら四人分か。それ全部しなくちゃいけないんだから、そりゃ手も貸すよ。毎日してなくて、慣れてないんなら余計。てかあんた仕事してたんだからさ』
「……あれ?」
『はあ。……でも、二人暮らしが長かったオレだから言うけど、いろいろ十分だと思う。正直それ以上何を求めようとしているのか、寧ろオレは、……はあ。そっちが、理解不能なんだけど』
「えー……」
息継ぎしてなかったから息切れてるし。
でも、……ちょっと。いや、だいぶ盲点だったかもしれない。
『もし、それでも足りないって言うなら、この家貸してあげるよ』
「ええ!?」
『料理洗濯は一人分で簡単かもしれないけど、部屋数は多いから、掃除が一番大変かも』
「……ひ、ひなたくん?」
『だからさ、普段は一人で、たまに二人分とかしてよ。通い婚みたいな感じでさ』
「か、通い婚……」
『まあ、一緒に住むなら任せっきりにはしないけど。初めから分担してやるつもりだし』
「……い、いいのかな」
正直、まだまだ不安なところはいっぱいあるけど。
『……いいんじゃない? 何をかは知らないけど、家ならいつでも貸すし、もしできないところがあるんならそれは補えば。というか大丈夫だよ。多分できるから、あおいは』
そんなわたしでも、君はそんな風に受け止めてくれるんだね。
なんでだろうね。君にそう言われると、なんでもできそうな気がしてくるのは。
「……ねえ、ヒナタくん」
『何?』
「さっきの。もう一回言ってくれない?」
『……二人暮らしすればいいんじゃない?』
「違う。そっちじゃなくて」
『……そっち? いや、どっち』
「さっき言ってくれたじゃん」
『さっき? ……ああ、もしかして』



