『……そう考えたら、かなちゃんが一番かわいそうだね!』
『おま、……現金だな』
『ていうかそもそも、彼氏がいるのにチョコもらえる方がすごいよね!』
『そうだな。有難いな』
『もしかしてこれって、彼氏と上手くいってないってことかな! これってチャンスってことかな!』
『彼氏の前で堂々とよくそんなこと言えるよ』
『あれ〜? 彼氏だったんだあごめんね? てっきり勝手に彼氏気取りで妄想拗らせてる痛い人かと思ってたよお。深刻に相談とかされたことあったけどー』
『(※完全な弱みのため反撃できず)』
『ということで! あーちゃん今朝はごめんね? あんなメッセージはさっさと削除しちゃってねえー』
「こちらこそ、直接渡せなくてごめんね?」
『いいんだよ! だって、会えないかもしれないからって、お手紙一緒にくれてたじゃん』
「……おうりくん」
『おれは、それで十分嬉しい』
「……ありがと」
『『『(こいつ。さっきと態度全然違うんですけど……)』』』
機嫌が直ったみたいでよかった。ブラックなオウリくんとの対決は、正直勝てる気がしないので、丸く収まって一安心。
『今日は学校来る?』
「今日は行けないんだー」
『そっかー』
「けどまたすぐ会えるよ!」
『うんっ。待ってるね!』
『あーちゃん大好き!』と、きっと満面の笑みであろう彼に、今すぐ抱き付きたいところだけど。
『ひーくんと別れたくなったらいつでも言ってね?』
「それは恐らくないので諦めてくれ」
『えー……』と残念そうな声を最後に、二年生組とのお喋りは終了した。名残惜しいが、まだわたしの大事な用事が済んでいないのでね。
先程の電話中に通知が来ていたので急いで確認をすると、メッセージを1件受信していた。相手は、まあ何となくわかっていたけれど。
《アオイちゃんへ
美味しそうなチョコどうもありがとう
有難くいただくね
組の奴らにも渡したんだって?
親父とマサキから連絡来てたから驚いたよ
重ねてになるけど、本当にありがとう
その後、ヒナくんとはどうかな?
俺も、話したいことがたくさんあるから
よければ今度聞いてやって
アオイちゃんも
素敵なバレンタインが過ごせていますように
返事は大丈夫
その代わり、いっぱいヒナくんと過ごしてあげてね》
「……カナデくんのくせにっ」
そう言いながらも、思わず笑みがこぼれてしまったのはもう仕方がない。だって、このバレンタインはものすごい素敵だったんだよって、文面に溢れてるんだもの。今度、じっくりたっぷり、お互いの惚気を言い合うことにしよう。絶対面白くなると思う。
お返事は、大丈夫って言ってたけどさせてもらおう。またあとで(笑)多めのメッセージを送りつけてやろう。今頃にやにやしてるんだろうから。



