泊まり掛けで作成していたアカネくん並びに新入生の作品は、専門家によってきちんと評価されるらしい。評価別にクラスが分かれ、高かった作品は学校の展示会に代表として飾られるそう。
『おれにしては上出来だよ。でも自分の実力はまだまだだから。でもでも、その方が伸び代があって楽しそうだよねー』と、いつもと同じように彼は笑う。
彼とカナデくんの合作を毎年見てきたけれど。あれよりももっとすごいレベルって、一体どんなものなのだろう。自分の見識を広げるためにも、今度展示会に行ってみることにしよう、そうしよう。
出来上がった作品は、今度見せてくれる約束をしてくれた。
『お母さんから、ゲットしたわよって写真付きで連絡が来てさ。居ても立っても居られずでね』
「え。まさかとは思うけど、だから始発?」
『ついでに朝ご飯もまだだから』
「もう、アカネくんってば」
遠くの方で、アナウンスが聞こえる。それがこっち方面の電車で、少し残念。もう少し話してたかったな。
『ねえあおいチャン』
「なあにアカネくん」
『ひなクンとは進展した?』
「ん?」
『行くとこまで行っちゃったかなあ?』
え。アカネくんがこんなこと言うの? 訊いちゃうの??
……あれかな。ほら、朝早かったから。まだ完全に目が覚めてなくて、寝惚けてるって可能性も……。
『あれ。もしかしておれ、ぴゅあ路線だと思われてる? 多分だけど、なんだかんだぴゅあなのってかなチャンだけじゃないかな? ちかチャンは明らかにぴゅあ側だろうけど、彼氏になったら結構やることはやりそうだよねえ』
「そのメンバーにアカネくんが含まれていないのを知ってるのは、多分君だけだと思うよ……」
『あ、おうりはあおいチャンの中にも入ってなかったんだ』
「オウリくんはまあ、なんだかんだでちょっと黒いからさ」
よくご存じで。
そう言っておかしそうに笑っているアカネくんは、やっぱりアカネくんで。どっかの誰かみたいに、別の人格が混じったりしたのかななんてこと、結構本気で考えたけど。
『それで? 一線越えちゃったの?』
「朝っぱらから何言っちゃってるのかな君は」
『そっかー、やっぱりそうなんだねー』
「まだ何も言ってないんだけどな」
『何となくわかるんだー』
「……声だけで?」
『もちろん声もだよ。掠れちゃってるみたいだし』
「……」
『あと会話も。前ならきっと平静に返せてなかったと思うよ。多分だけどね?』



