確かに可愛かった。恥じらう姿も、何なら言い切った男気も。ちょっと嬉しかったのも認めようこの際。
……でもね。何度も言うけど。そういうのは男のオレが言う台詞であって。
「言いたかったから、言ったの」
「いや、うん。そうね。そうだろうね」
「ヒナタくんと、……その。そういうことしたいって、ちゃんと言わないとって」
「……」
「思ったのもあるし、……大事にしたかったから」
「……あおい」
「大事にする。一生、ヒナタくんのこと」
「……」
だから、それも男のオレの台詞だって……。はあ。全く。
彼女の肩に額を乗せた時、一瞬体がビクついたのは多分、ちょっと怒られるかもしれないと思ったのだろう。そんなことないのに。
「そんなにしたかったんだ」
「へっ?」
「だって、食べたくなったんでしょ? オレのこと」
「……」
「大事にしてくれて、ありがとう」
「……ひなたくん」
「オレも、あおいのこと大事にしたい。ずっと。一生。大事にする」
「……っ。うん」
少し泣きそうなのか。わずかに俯く彼女の顎に指を添え、下からゆっくりと持ち上げるように口付けを送る。
「だから、オレももらってもいい? あおいのこと」
「……っ。うんっ」
抱き付いてきた彼女から、キスの雨が降ってくる。額に、鼻先に、瞼に、唇に。啄むようなキスが、今はもう全てもどかしい。
「んっ、ふあっ」
こんなんじゃ全然足りない。
彼女の腰に腕を回し、後頭部を掴んで押さえつける。もっと。もっと。口の中を犯され、絡み合う舌に息も苦しいのだろう。酸素を求めて、肩に乗せられた手に力が入る。でも逃げ腰になる彼女を逃がすまいと、もっと深く、深く厭らしく絡ませた。
そして、腰を抜かしそうになったのか。彼女は膝立ちでもつらくなったようで、オレにもたれかかるように体を寄せた。
「おいで。ゆっくりでいいから」
「はあっ、はあっ。……っ、え?」
そっとあてがったそれに、回らない頭も理解できたのだろう。真っ赤な顔して戸惑う彼女に、少し笑いながら。
「……じゃあ、少しだけね」
目の前の、少し汗ばんだ肌に唇を寄せた。
快楽に、我慢できない声が上がる。手の平で触れると、まるで吸い付くような感触は、ずっと触れていたいほどしっとりとやわらかい。
「んっ。……あぁっ」
いじめ抜かれた体には、わずかな刺激さえもう堪えられないだろう。それでも、彼女に触れ続けた。彼女を助けるとは名目で、オレの方がもう、本当に彼女をめちゃくちゃにしかねなかったから。
「……っはあ。……大丈夫?」
ピタリと胸に頬をつけて息を整えていた彼女は、オレの声に小さく笑いながらそっと顔を上げた。
「……思ったより。痛くなかった、かも」
「かもなんだ」



