「大丈夫?」
「だいじょうぶに見える……?」
「んー、何とか大丈夫には見える」
「ひなたくんかなり目いいんだね」
両目1.0は、いい目に入るのかどうなのか。……ま。だいぶ調子を取り戻したようで何より。
掻き上げた前髪の生え際へキスを落とすと、小さく声を上げながらわずかに体を震わせる。もしかしたら恐怖もあるのかもしれない。でも今はきっと、何をしても彼女は小さく反応を寄越すだろう。オレが、そうさせたから。
「あ。……ちょ、ちょっと待って」
「悪いけど、さすがに今日は止めないよ」
「そ、そうなんだけど。……そうじゃ、なくて」
「そうじゃないとは……」
というか、今言うの? 今。この体勢で。
「……~~っ。ひなたくんっ!」
「えっ!? うわっ!」
とか思ってたら、いきなり彼女に突き飛ばされたんですけど。
「あっ、あのですねひなたくん」
そんでもって上に乗っかられた。
ていうか、この体勢。気付いてねえんだろうなー多分。なんか必死だから。
「ちょっとですね。ひなたくんに、言っておきたいことと申しますか、一言申すと言いますか」
(すげえ眺め)
「言わねばならぬ、ことがありまして」
「え。何? 文句?」
「い、いや文句ではなく」
「……気持ちよくなかった?」
「っ、えっ?」
「ねえ」
「……い、いえ。その……」
「……」
「……あ、あり、がと」
「……ぶはっ。いいえ?」
先程までの行為を思い出し顔を真っ赤にさせた彼女は、恥ずかしがりながらオレの上からそそくさと逃げていく。それを、体を起こして、俯きがちの彼女の熱い頬へ手を伸ばし、そっと止める。照れてると、恥ずかしがっているとわかっているけれど、それ以上は、今は離れて欲しくなかったから。
「あ、あのっ。ごめ」
「言いたいことって何?」
「え? ……え、と」
「どこか痛かった?」
「えっ? う、ううんっ」
「じゃあ、触って欲しくないところがあった? 嫌だなって思うことがあった?」
「……えっと。服で隠せないところにつけるのは、ちょっと気をつけて欲しい……けど。そうじゃなくって」
「うん」
何か、あったならすぐ言って欲しい。でも、必死になって首を振る彼女は「違うんだよ」と、蚊の鳴くようなかすかな声で囁いた。
「……い?」
「ん?」
頬に添えた手に、甘えるように。どこか愛おしげに触れる彼女は、恥ずかしそうに再び囁いた。今度は確かに、耳に届くくらいの大きさで。
「ひなたくんを、……もらってもいい?」
「…………」
「というか食べてもいいですかっ? てかもう食べさせて!」
「ぶっ! くっ、……あはっ。ははは!」
「な、なぜ笑う」
「笑わなきゃやってらんねえから」



