と、いうことは。
「こっ、これでも綺麗になった方で……」
「……」
「わっ、わたしがやったの! 頼んだけど、結果的にわたしがやったようなものだから!」
「うん。大丈夫。別にチカにも怒ってないから」
どうやら探し物というのはデータではないよう。パソコンを立ち上げた様子もないし、その辺に散らばってしまったUSBやマイクロチップが目的のものではないようだ。あーよかった。
でも、そもそも彼女の探し物というのは一体何だろうか。しかも、何故それがオレの部屋の中にあるのだろう。
「何探してたの? 結局見つかった?」
「え? ……えへへ。内緒!」
「内緒? あ、わかった。下着でしょ。忘れて帰ったのを探してたんだ。でも、悪いけど流石に彼女の下着隠し持っとく趣味はないよ」
「違うよ。誰もそんなこと思ってないよ」
「じゃあなんで?」
「ふふっ。これは、お持て成しだから。絶対言わないの」
部屋こんなにしといて。
そんな視線で訴えてみるけれど、嬉しそうにしてるから、まあいいや。
「じゃあ片付けよう」
「一応、他のお部屋は綺麗にしといたよ?」
「うん。でもさ、あおい忙しくてなかなか叶えてあげられなかったし」
「ん?」
近くに落ちているアルバムを拾い、広げてみせる。
「時間があるなら、昔のこと懐かしむのもいいかなって」
「……! うんっ!」
それに、落ち込んでる顔よりも、好きなものを見て嬉しそうに顔を綻ばせてるあんたを、今オレは一番見たいんだ。
やり始めたら止まらないことはよくよく知っているので。ある程度片付けた辺りで、「もうこの辺にしとこう。続きはまた」とアルバムをちらつかせ、半ば無理矢理切り上げさせた。初めはムスッとした顔で納得してくれなかった彼女も、アルバム三冊くらい開いたらもう誘惑に負けた。
それからしばらくは二人、ベッドの中で思い出に浸っていたのだけれど。
「……眠いの?」
「ん? ううん」
それも終わったのは、日付が変わって少し過ぎた頃。彼女の指がオレの髪の毛に伸びてきて、何がそんなに楽しいのか、嬉しそうにしながら毛先を弄び始めていた。
「……もう見ないの?」
「んー。……ふふっ」
開いたままのアルバムには目もくれず。下から見上げてくる彼女はただつんつんと、楽しそうに髪の毛だったり、ほっぺたを触ってくるばかり。
ふわふわと、どこか眠そうにはしている。けれど、触れてくる手はしっかりしているどころか寧ろ何かを訴えているようで。
「あーおい」
彼女が訴えかけてくる何かが、オレと一緒のものかどうか、ハッキリとはわからない。それに、可愛い彼女をもう少し見ていたいのもあって、様子を見ながらオレも彼女と同様、枕にほっぺたをくっつけた。
同じように毛先を弄って遊んで。同じように頬を突っついて。



