〈ひとんちで何してるの〉
《えーっと
お持て成し!
の準備?》
〈おもてなし?〉
《そうそう!
お・も・て・な・し
(●-人-)オモテナシ》
いつも以上にテンション高いな。けどそういうことなら、張り切ってくれているなら、なるべく邪魔はしたくない。〈了解 準備終わったら教えて〉と最後に送って、玄関前の石段に腰を下ろした。
「ヒナタくんヒナタくん!」
すると、上から声が。振り返って見上げると、二階の部屋の窓から愛しい彼女が顔を出していた。
「中! 中入って待ってて!」
「え? 入っていいの?」
「もちろんっ!」
「リビング暖かくしてるから、そこで待ってて!」と、彼女は嬉しそうに手を振って窓を閉めた。……ハタキ持ってたけど、あんなの家にあったっけ。
でもまあ、招待した彼女が言うんだ。遠慮無く入らせてもらおう。外マジで極寒だし。
「はあー。あったけー」
別段どこか特別変わった様子もなく。家の中がちゃんと冬使用になっているぐらいで、最後に出た時とほぼ一緒だ。
ただ、今まで出してなかったコタツがリビングに置いてあって、本当に至福。コタツに俯せになっていると、ふわっと背中に何かが掛けられる。視界に入ったのはブランケットの角。
「……あお」
「ヒナタくんご飯は?」
「……え?」
「だから、ご飯。夕ご飯食べてきた?」
やっぱり目がどっかおかしいのかな。見上げたそこにいたのは、割烹着に帽子、マスクをしっかり着用した、給食のおばちゃんだった。手には相変わらずハタキ持ってるけど。
「た、食べた。ごめん」
「え? なんで謝るの?」
「な、何となく……」
「あはっ。おかしなヒナタくん」
誰がどう見たって、明かおかしいのはあんたの方だけど。
思ってても口には出さない。顔には全面的に出しておくけど。気付くかどうかはさておき。
「おなかいっぱい食べた? おつまみくらいなら食べられそう?」
「うん、大丈夫……だけど」
「そっか。うん了解」



