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その日、最後のインターホンが鳴ったのは、夜の7時を少し過ぎた頃だった。
「あら? 誰かしら」
「あ、ごめん。オレだ」
連絡が入ったスマホを握り締め、思わず席を立つ。こんな時間に、何かあったんだろうか。
「出てきても大丈夫?」
「行ってきなさい」
みんなも同じことを思ったんだろう。食事中だったけれど、ありがとうと慌てて玄関へと駆けていった。
「どうしたのチカ」
ていうか、来るんなら帰る時にでも言っといてくれればよかったのに。連絡来たの、インターホンが鳴ってからだったけど。
「悪いな。あー飯食ってた?」
「チカも食べる?」
「いや、オレは今から帰ってばあちゃんと食うから」と、どうやら下校で別れてから買い物が長引いたらしい。
「用事はすぐ済むから」
いや、別れてから何かあったらしい。
そう言って、彼が出してきたブツに、オレは思わず目を擦った。
┏ ┓
果
た
し
状
┗ ┛
「諦めの悪い……」
「オレからじゃねえよ」
「は? じゃあ誰からって言うの」
「お前の女房」
「……まっ、まだ女房とか。気が早いし」
「おいおいおい、ガチで照れてんじゃねえ」
気を取り直した▼
話を聞くところによると、チカはお使いに来ただけだそうだ。あいつに、頼まれ事をされたらしいけれど。
「じゃあな」
「どいつもこいつも」
「は?」
「いっつもいっつも、なんでオレより先に会ってるわけ」
しかも買い物袋の中。チョコの箱がチラチラ見えるんだけど。誰からもらったんだよ誰から。
「オレに聞くなよ」
「わかってるよ」
「まあアレだ。特別だからだろ、お前が」
「わかってるよ」
「わかってんのかよ」と。おかしそうに笑うチカから、謎の果たし状を受け取って、オレは一つ溜め息を落とした。
「帰ってきてんだね、この町に」
「みたいだな。駅で買い物してたぞ、何か」
「買い物? また、何しに……」
「ま、いろいろ準備があるらしいから――」
その日、最後のインターホンが鳴ったのは、夜の7時を少し過ぎた頃だった。
「あら? 誰かしら」
「あ、ごめん。オレだ」
連絡が入ったスマホを握り締め、思わず席を立つ。こんな時間に、何かあったんだろうか。
「出てきても大丈夫?」
「行ってきなさい」
みんなも同じことを思ったんだろう。食事中だったけれど、ありがとうと慌てて玄関へと駆けていった。
「どうしたのチカ」
ていうか、来るんなら帰る時にでも言っといてくれればよかったのに。連絡来たの、インターホンが鳴ってからだったけど。
「悪いな。あー飯食ってた?」
「チカも食べる?」
「いや、オレは今から帰ってばあちゃんと食うから」と、どうやら下校で別れてから買い物が長引いたらしい。
「用事はすぐ済むから」
いや、別れてから何かあったらしい。
そう言って、彼が出してきたブツに、オレは思わず目を擦った。
┏ ┓
果
た
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┗ ┛
「諦めの悪い……」
「オレからじゃねえよ」
「は? じゃあ誰からって言うの」
「お前の女房」
「……まっ、まだ女房とか。気が早いし」
「おいおいおい、ガチで照れてんじゃねえ」
気を取り直した▼
話を聞くところによると、チカはお使いに来ただけだそうだ。あいつに、頼まれ事をされたらしいけれど。
「じゃあな」
「どいつもこいつも」
「は?」
「いっつもいっつも、なんでオレより先に会ってるわけ」
しかも買い物袋の中。チョコの箱がチラチラ見えるんだけど。誰からもらったんだよ誰から。
「オレに聞くなよ」
「わかってるよ」
「まあアレだ。特別だからだろ、お前が」
「わかってるよ」
「わかってんのかよ」と。おかしそうに笑うチカから、謎の果たし状を受け取って、オレは一つ溜め息を落とした。
「帰ってきてんだね、この町に」
「みたいだな。駅で買い物してたぞ、何か」
「買い物? また、何しに……」
「ま、いろいろ準備があるらしいから――」



