「他にも同じように上げてる子見たんだけどさ、どれも残像なんだよ。勝敗ついた時とかさ、絶対止まってる写真ありそうなのに」
コメント欄には、【技の数々撮ろうと思ったけど早過ぎ!】とか、【ウチの部に是非欲しい!】とか、【女の子がむさい大男投げ飛ばした! 誰って? 撮れないって! だってスゴすぎて手が勝手に拍手送ってる!】とか。いろいろ書かれていた。
「映えないわー葵ちゃん」
「わ、悪かったですね」
しばらく難しい顔で、彼は画面を眺めていた。
「どうかしました?」
「ん? いや、あんまりこれが拡がるようだったら、いろいろ対処していかないといけないかなって」
「対処?」
「うん。外国飛び回ってた時もいろいろやってたし」
「い、いろいろ……」
「特にフランスなんかはアニメとかよく知ってるから食いついてくるよね。あんな恰好した日本人が『真実はいつも一つ!』とか言ってたらそりゃ大騒ぎにもなるよ」
「……め、面目ないです」
「いえいえ。もう慣れたもんだよ」
「そんなに大変じゃないしね」と、シズルさんはスマホを収めた。
「それで? 僕を待ってたんでしょう? お待たせ。直接来たってことは、結構重要任務だったりする?」
「はい。それはもう。多分、今までしてきた仕事の中で、一番重要かもしれません」
「……わかった。それで、行き先はどこ」
「保育園です」
「……保育園?」
「あと、小学校」
「……小学校?」
「はい」
真面目な顔して言ってるのに、なんでか頭を抱えられた。
「……あの、葵ちゃん? まさかとは思うけど」
「支度ができたら行きますよ」
「いや、だからね?」
「さあ早く!」
「わかったよ」渋々頷かせたシズルさんを連れ、保育園と小学校の児童館へ。そろそろお迎えの時間だ。
――――――…………
――――……
「ひまちゃんひまちゃん! きょうはなにしてあそぶー?」
「おいかけっこー!」
「しーちゃん。それはだめー。ひまちゃんつよいもん」
「えー。じゃあねねちゃんはなにしたいー?」
「おままごとー! しーちゃんがおひめさまねー? ぱぱはおうさまでー、ひまちゃんはわんちゃん! ねねはめしつかいするー」
「はあーい!」
「はーい!」
「……ねえ葵ちゃん、犬でいいの?」
「モウマンタイです」
シズルさんの家へと到着すると、そう言って二人ははしゃぎまくっていた。
「それはそうと、ひまちゃんって?」
「前にわたしのお花は向日葵なんだよって教えてあげたら、そう呼ばれるようになりました」
「ひまちゃん! ぱーぱ!」
「はやくはやく!」
わたしがいることもそうだろうけれど、あまり家にいないお父さんと、一緒に遊べることが何より嬉しいのだろう。
ママがお仕事から帰ってくるまで、いっぱい二人と遊んであげることにした。家まで送ると言ってもらえたけれど、それは遠慮して近所の駅までにしてもらった。駅も近いので徒歩だ。



