向かい合うように体の向きを変えると、ヒナタくんは少し申し訳なさそうに笑いながら、うんと頷いた。
「みんなに心配かけたからね。それが終わってからでも、間に合う?」
「うんっ。へっちゃらだよ!」
「じゃあオレは、…………」
「ん? どうしたの?」
いきなり小指と小指を絡められた。改まった顔で、どうしたのだろうかと思っていたら……。
「オレの顔が変形しても、好きでいてくれる?」
なんて、必死な顔で言うんだもん。
一体どれだけの人に、君はどれだけの迷惑をかけたというんだい。顔が変形するほどなのかい。
「ははっ。当たり前だよ」
もし、殴られてしまったとしても。そしてたとえぶちゃいくでも。そうでなくても。わたしは、ヒナタくんという世界でたった一人の君が好きだから。それについては、絶対に針千本飲まなくて済みそうですよ。
でも、もし殴られるようなことがあったとしてもだ。
「でも、そうなる前にわたしが守ってあげるから大丈夫だよー」
「これぞ最強のボディーガード」
それは、ヒナタくんだけの問題じゃない。わたしの問題でもあるから。
だから、一緒に謝りに行こう。お礼をたくさん、たくさん言いに行こうね。
「ねえヒナタくん」
「ん?」
「もしわたしの顔が変形しても、傷ができてもそれが治らなくても、ヒナタくんも好きでいてくれる? 愛してくれる?」
「もちろん」
「言ったね? しかと聞きましたよ」
「うん。正直あおい以外は愛せない自信しかない」
「お、おう」
「だから、たとえあおいの顔が変形したとしても好きだし」
「うん」
「一生治らない傷がついたとしても、それごと愛してやる自信しかないし」
「うん」
「人類の域を超えてサイボーグとかになったとしても、多分大丈夫かな。ああ、でもサイボーグになるなら胸はEカップに戻しといてね」
「いやいやいや、そもそもサイボーグになる予定ないですからね」
「違うよ。早く胸の大きさ戻してって、遠回しに言ってるんだよ」
「わかってるよ。ていうか遠回しじゃないよ」
――――――…………
――――……
「えー。そのネーミングセンスはないわー。ダサーい」
「どっこいどっこいだと思うけどねオレは」
初詣をしに隣町を目指していたわたしたちは、現在ヒナタくんが今日見たという夢の話で盛り上がっていた。
「でもまさか、ヒナタくんに煙草を吸いたい願望があったとは」
「ないないない。これからだって吸おうとは思わないよ」
「いや、別にヒナタくんがどうしても吸いたいって言うなら、止めはしないよ?」
「高額納税者にはなりたくないよ」
ただでさえ酒飲みだものねえ。でも煙草の吸い過ぎは健康に悪いし、今はいいけど、もし将来吸い始めたらこのこと話してみよう。もちろんお酒も。ストップ健康被害。
「みんなに心配かけたからね。それが終わってからでも、間に合う?」
「うんっ。へっちゃらだよ!」
「じゃあオレは、…………」
「ん? どうしたの?」
いきなり小指と小指を絡められた。改まった顔で、どうしたのだろうかと思っていたら……。
「オレの顔が変形しても、好きでいてくれる?」
なんて、必死な顔で言うんだもん。
一体どれだけの人に、君はどれだけの迷惑をかけたというんだい。顔が変形するほどなのかい。
「ははっ。当たり前だよ」
もし、殴られてしまったとしても。そしてたとえぶちゃいくでも。そうでなくても。わたしは、ヒナタくんという世界でたった一人の君が好きだから。それについては、絶対に針千本飲まなくて済みそうですよ。
でも、もし殴られるようなことがあったとしてもだ。
「でも、そうなる前にわたしが守ってあげるから大丈夫だよー」
「これぞ最強のボディーガード」
それは、ヒナタくんだけの問題じゃない。わたしの問題でもあるから。
だから、一緒に謝りに行こう。お礼をたくさん、たくさん言いに行こうね。
「ねえヒナタくん」
「ん?」
「もしわたしの顔が変形しても、傷ができてもそれが治らなくても、ヒナタくんも好きでいてくれる? 愛してくれる?」
「もちろん」
「言ったね? しかと聞きましたよ」
「うん。正直あおい以外は愛せない自信しかない」
「お、おう」
「だから、たとえあおいの顔が変形したとしても好きだし」
「うん」
「一生治らない傷がついたとしても、それごと愛してやる自信しかないし」
「うん」
「人類の域を超えてサイボーグとかになったとしても、多分大丈夫かな。ああ、でもサイボーグになるなら胸はEカップに戻しといてね」
「いやいやいや、そもそもサイボーグになる予定ないですからね」
「違うよ。早く胸の大きさ戻してって、遠回しに言ってるんだよ」
「わかってるよ。ていうか遠回しじゃないよ」
――――――…………
――――……
「えー。そのネーミングセンスはないわー。ダサーい」
「どっこいどっこいだと思うけどねオレは」
初詣をしに隣町を目指していたわたしたちは、現在ヒナタくんが今日見たという夢の話で盛り上がっていた。
「でもまさか、ヒナタくんに煙草を吸いたい願望があったとは」
「ないないない。これからだって吸おうとは思わないよ」
「いや、別にヒナタくんがどうしても吸いたいって言うなら、止めはしないよ?」
「高額納税者にはなりたくないよ」
ただでさえ酒飲みだものねえ。でも煙草の吸い過ぎは健康に悪いし、今はいいけど、もし将来吸い始めたらこのこと話してみよう。もちろんお酒も。ストップ健康被害。



