にっこりと笑ったオレに嫌な予感がしたのだろう。

「あっ、朝から!? ていうかちょっと冷静になろうよヒナタくん! そんなさらっと仰るけど、そもそもわたしたち最後までとかまだしたことな――」なんて反論は、その意志ごと唇から根刮ぎ奪っておいた。


「んっ、はあ」

「寝起きがいつもこんななら、また見てもいいかもね」

「……な、何? なんのこと……?」

「こっちの話。今はオレに集中して」


 回復魔法――……なんて、そんなことできるはずもないけれど。でも君は、いつだってオレの心を救ってくれるんだ。


(ありがとうあおい。……愛してるよ)


 もしまた同じ夢を見たとしても。もう、大丈夫だろう。



【大丈夫だよ】

 何この魔法の言葉。効き目有り過ぎでしょ。