✿
その後、ようやく日向から解放された翼はというと、ホテルの一室に戻って早々、ソファーにもたれながら天井を仰いでいた。
(あいつら、別れたとかじゃなくてただの痴話喧嘩じゃねえか……)
今日は何回幸せが逃げていっただろうかと、再び大きなため息をつきながら、丸テーブルの上に置いてあるスマホに目をやる。
そして今一度ため息交じりに、スマホ画面を開いた。
┌ ┐
うん!
その日は元々別の予定が入ってたから
夕方からなら空いてるよ~♫
楽しみにしてるね☆
└ ┘
「これは、絶対黙っておいた方がいいんだろうな」
つーかこいつ、本当にマジギレしてんじゃんと。翼は、どうしたもんかと暫く……
「翼? 帰ってきたのか」
「……ああ」
「……どうした。マカロン食べるか? エクレアもあるぞ」
「いや俺は……、やっぱもらうわ」
「……エスプレッソ、淹れてもらうか」
「今は甘いカフェオレが飲みたい気分」
「甘いものの食べ過ぎは体に毒だぞ」
「アキにだけは言われたくねえ」
というか付いてきた修学旅行の間中、誰にも相談できることなく一人で頭を抱えていたのだった。
その後、ようやく日向から解放された翼はというと、ホテルの一室に戻って早々、ソファーにもたれながら天井を仰いでいた。
(あいつら、別れたとかじゃなくてただの痴話喧嘩じゃねえか……)
今日は何回幸せが逃げていっただろうかと、再び大きなため息をつきながら、丸テーブルの上に置いてあるスマホに目をやる。
そして今一度ため息交じりに、スマホ画面を開いた。
┌ ┐
うん!
その日は元々別の予定が入ってたから
夕方からなら空いてるよ~♫
楽しみにしてるね☆
└ ┘
「これは、絶対黙っておいた方がいいんだろうな」
つーかこいつ、本当にマジギレしてんじゃんと。翼は、どうしたもんかと暫く……
「翼? 帰ってきたのか」
「……ああ」
「……どうした。マカロン食べるか? エクレアもあるぞ」
「いや俺は……、やっぱもらうわ」
「……エスプレッソ、淹れてもらうか」
「今は甘いカフェオレが飲みたい気分」
「甘いものの食べ過ぎは体に毒だぞ」
「アキにだけは言われたくねえ」
というか付いてきた修学旅行の間中、誰にも相談できることなく一人で頭を抱えていたのだった。



