すべての花へそして君へ③

 ――――――…………
 ――――……


『……くっ』

『……あおい?』

『――かはっ。……はあ、はあ。ひなた、く……』

『あおい……!!』


 ――……ああ、またこの夢だ。
 また、彼女が。オレを庇って、倒れる夢。


 彼女が吐いた赤。
 鉄銹の水溜まり。

 ……腕の中で、小さくなっていく。
 声が。……呼吸が。



【……たとえばさ、オレの身に何かがあるってわかったら、あおいは迷わずオレを助けに来るでしょ】

【それは、当たり前だよ】

【二つに一つを選ばないといけなくなったとき、片方がオレなら、何が何でもあおいはオレを絶対に選ぶでしょ】

【……それじゃあ、ダメなの?】

【そうやって、オレは何度も目の前であおいを死なせたよ】

【夢で、でしょう……?】

【だからって、絶対にないなんて言い切れる? オレは、可能性はゼロじゃないって、絶対に言い切れるよ】

【ヒナタくん……】



 ――またオレは、彼女を守れなかったのか。