【考え】
いつまで、縛られなくちゃいけないの。
【道】
どうして、こんな目に遭わなくちゃいけないの。
【運命】
何故――……わたしだったの。
今だからわかるのは、無意味。そして時間の無駄。
よく考えたらだって、これって普通のことだと思うの。生まれてきた人に、必ずあるものでしょう?
その人に定められた運命というものがあったから、この世界に生まれて。その先の道は、一本道かも知れない。もしかしたら何本もあるかも。それを見つけられるかどうかは、自分の考え方次第。みんな。みんな、持ってるものなんだよ。
ただ、それが人によって違うだけ。それが、その人の人生というもの。
わたしは……さ、それが人よりもちょっと特殊なんだ。ただ、本当にただ、それだけのこと。
『……ふむ。そういえば聴取にはシントも行くんでしたね。だったら今のうちに少し訊いておこうかな』
『何かしら。私で答えられることなら何でも訊いて?』
『あ。……ありがとうございます』
静かに息を吸い、姿勢を正す。今更、畏まったところで、ティッシュ箱脇に抱えてるんだから、見た目全然引き締まってないんだろうけど。
『すみません。難しいようでしたらまた改めて伺うので、今可能な範囲でお願いします』
けれど、これがわたし。
まだ、齢18にも満たない、だいぶおかしな女の子。
それが、わたしという人間だ。
『――わたしが“赦された身”だということはわかりました。なので、“赦されなかった半身”に下された罪状と、それを背負うわたしの務めを、できれば事細かに説明していただけますか』
だから、すんなり受け入れられる。
これが、“わたし”だから。
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