「……はあ。何したらいいんですかね」
だからって、そう言われてここでそれを断ってみろ。人として駄目だろ。良心痛みまくりだわ。
『ありがとう。また君にも改めてお礼させてもらうね』
「いいですよ。ちょうど俺も、そろそろサンタクロースやってみたいと思ってたんで」
『あれ? 去年やってたよね、ミニスカサンタ』
「…………」
『似合ってたよー。でもやっぱり本物の女子高生の生足には負け――』
「何すればよかったんでしたっけ」
また電話口で爆笑されてしまったけれど。
『助かるよ。ゲームの内容はあとで放送されると思うけど、一応話しておくね。それで、君にやってもらいたいことなんだけど――……』
――――――…………
――――……
「こんなところで何してんのツバサ」
パーティー会場の外。賑やかな音は聞こえない。人気のない廊下の隅に、ちょうどいい具合に置いてあった二人掛けのソファーへ、俺は腰を下ろしていた。
「何ってお前、捜してたに決まってんだろ」
「誰を」
「お前」
「どう見たって捜してないじゃん」
怪訝な顔で文句を言う彼に、そんなことねえよと呟く。
まあ行きそうな場所の目星を付けただけだし。そこでただ待っていただけだけど。でも、捜していたのは本当。
「まあいいや。それで? オレに何の用?」
「用があるのはお前じゃねえの」
「何そのドヤ顔。腹立つくらいにはウザいけど」
「そうか。違ったんならお前に用はねえよ」
したり顔でふっと笑うと、弟は口を結んでこちらを睨んでくる。
どれくらいその状態が続いたか。暫くして、「ま、そうだけど」と諦めたように大きなため息をついた。
「ん」
「なんだその手は」
「ん」
「口があるんだからちゃんと言え」
「出せ。つうか返せ」
「お前なあ」
それが人にものを頼む態度かと、隣に座る弟にがっくりと肩を落とす。
用事はわかっていたし、端から渡すつもりではいたけれど。
「おお。さんきゅーさんきゅー」
内ポケットから取り出したカードに、日向は見たこともないくらい嬉しそうに口角を上げた。
「何か言うことは」
「え? ……ありがとう?」
「他」
「賞品ゲットしてくるね?」
「違う」
「人いっぱいで疲れたから、ゲームして遊んでくる」



