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――事の発端は、一本の電話からだ。
「……もしもし、葵? どうしたん――」
申し訳なさを感じつつも、一旦断りを入れて席を外し、急いで電話を取る。
相手は彼女から。きっと今日のパーティーに参加するのだろう。てっきり、そう思っていた。
『あ。もしもし? 先日はどーも』
「………………」
聞こえてきたのは男の声だ。もう一度画面に表示された名前を確認して、最低限のことは理解した。
だから、電話はさっさと切った。
「……しつけえ」
意趣返しのつもりか。
電話の主は、留守電に切り替わる前に切ってはまた掛け直してくる。電源を切ることも考えたが、今以上に状況が悪化しそうな気がしたので、ここでひとまず折れておいた。
「文句は受け付けませんよ」
『大体言える立場にいないよ』
しつこく電話してきた割に意外とあっさりとした対応だったので、思わず顔を顰めた。どうやら、別件で連絡してきたらしい。
でも、別件だからといって連絡してくる意味がわからない。親しくされる覚えもなければ、その別件を聞く筋合いもないはずだ。
『実はさ、ちょっと小耳に挟んだんだけど』
「それじゃあ失礼します」
『ハハッ! 君らやっぱり兄弟だねー』
「……なんですか。手短にお願いしますよ」
『素朴な疑問なんだけど、そう言われてやっぱり嬉しいの? 兄としては』
「ノーコメントで」
爆笑に迷わず電話は切った。
「――……ゲーム?」
『そそ。それにね、葵ちゃんと弟くんを参加させて欲しいんだ』
招待状や受付では、そんな催し物があるなんてことは知らされなかったけれど。彼女のことだ、企画があるなら何も言わなくても参加するだろう。
弟も、顔に出していないだけで、早々態度には面倒くささが現れていたから、パーティーから抜け出せるのなら率先してゲームに参加。を、口実に会場を喜んで出て行くだろう。
しかし、そもそも出席すらしていない彼がパーティーの内容を何故把握しているのか。それ以前に、言わずもがな前科持ちだ。疑うなという方が無理な話だ。
「……今度は何するつもりですか。これ以上邪魔するようなら俺にも考えが」
『ただのクリスマスプレゼントだよ』
「は?」
『バタバタして結局何もしてあげられないままだったからさ』
面白半分にいろいろ突いてしまったお詫びもできてないままだし。それに、きっと俺からのプレゼントは、二人とも両極端な意味で受け取ってはくれないだろうし。……と。
『使われる君にとっては、いい迷惑でしかないだろうけど』
確かにその通りだ。現時点で、既に迷惑をかけられている。
――事の発端は、一本の電話からだ。
「……もしもし、葵? どうしたん――」
申し訳なさを感じつつも、一旦断りを入れて席を外し、急いで電話を取る。
相手は彼女から。きっと今日のパーティーに参加するのだろう。てっきり、そう思っていた。
『あ。もしもし? 先日はどーも』
「………………」
聞こえてきたのは男の声だ。もう一度画面に表示された名前を確認して、最低限のことは理解した。
だから、電話はさっさと切った。
「……しつけえ」
意趣返しのつもりか。
電話の主は、留守電に切り替わる前に切ってはまた掛け直してくる。電源を切ることも考えたが、今以上に状況が悪化しそうな気がしたので、ここでひとまず折れておいた。
「文句は受け付けませんよ」
『大体言える立場にいないよ』
しつこく電話してきた割に意外とあっさりとした対応だったので、思わず顔を顰めた。どうやら、別件で連絡してきたらしい。
でも、別件だからといって連絡してくる意味がわからない。親しくされる覚えもなければ、その別件を聞く筋合いもないはずだ。
『実はさ、ちょっと小耳に挟んだんだけど』
「それじゃあ失礼します」
『ハハッ! 君らやっぱり兄弟だねー』
「……なんですか。手短にお願いしますよ」
『素朴な疑問なんだけど、そう言われてやっぱり嬉しいの? 兄としては』
「ノーコメントで」
爆笑に迷わず電話は切った。
「――……ゲーム?」
『そそ。それにね、葵ちゃんと弟くんを参加させて欲しいんだ』
招待状や受付では、そんな催し物があるなんてことは知らされなかったけれど。彼女のことだ、企画があるなら何も言わなくても参加するだろう。
弟も、顔に出していないだけで、早々態度には面倒くささが現れていたから、パーティーから抜け出せるのなら率先してゲームに参加。を、口実に会場を喜んで出て行くだろう。
しかし、そもそも出席すらしていない彼がパーティーの内容を何故把握しているのか。それ以前に、言わずもがな前科持ちだ。疑うなという方が無理な話だ。
「……今度は何するつもりですか。これ以上邪魔するようなら俺にも考えが」
『ただのクリスマスプレゼントだよ』
「は?」
『バタバタして結局何もしてあげられないままだったからさ』
面白半分にいろいろ突いてしまったお詫びもできてないままだし。それに、きっと俺からのプレゼントは、二人とも両極端な意味で受け取ってはくれないだろうし。……と。
『使われる君にとっては、いい迷惑でしかないだろうけど』
確かにその通りだ。現時点で、既に迷惑をかけられている。



